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葬儀の基礎知識【式典編】葬儀での挨拶:喪主、親族、参列者

葬儀での挨拶

大切な方を送る葬儀の場では、様々な場面で「挨拶」が必要になります。

「何を話せばいいのか」「失礼がないか」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、喪主様、ご親族様、そして参列者様、それぞれの立場での挨拶の基本と心構えについて、分かりやすく解説いたします。

 

喪主様のご挨拶

喪主様が挨拶をされる主な場面は、通夜の終了時、告別式の終了時、そして精進落とし(会食)の席などです。

特に告別式の最後に行う挨拶は、ご遺族を代表して皆様への感謝を伝える大切な場面です。

悲しみの中で人前に立ち、話すことは大変な重圧かと思います。「上手に話さなければ」と気負う必要はありません。

大切なのは、故人様への想いと、ご会葬いただいた皆様への感謝の気持ちを、ご自身の言葉で伝えることです。

挨拶に盛り込みたい基本的な要素は以下の通りです。

  1. 会葬への感謝:お忙しい中、足を運んでくださったことへのお礼。
  2. 故人様のエピソード: 生前のお礼や、闘病中の様子、人柄が伝わる短いエピソードなど。
  3. 今後の支援のお願い: 残された遺族への変わらぬお付き合いをお願いする言葉。

言葉に詰まったり、涙で声にならなかったりしても、皆様は温かく見守ってくださいます。

メモを見ながら話されても全く問題ありません。

 

ご挨拶例文

「遺族を代表いたしまして、皆様に一言ご挨拶を申し上げます。 本日はご多用中のところ、わざわざご会葬(かいそう)いただきまして、誠にありがとうございます。皆様にお見送りいただき、故人(または父・母など)〇〇もさぞ喜んでいることと存じます。

故人は、〇年前に病が見つかり療養を続けておりましたが、〇月〇日の未明、家族に見守られながら静かに息を引き取りました。享年〇〇歳でした。 生前は、ひとかたならぬご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。

残された私共は未熟ではございますが、故人の教えを守り精進してまいる所存です。今後とも変わらぬご指導ご鞭撻(べんたつ)を賜りますようお願い申し上げまして、お礼の言葉とさせていただきます。 本日は誠にありがとうございました。」

ポイント: 天候が悪い日(雨や雪)は、冒頭に「本日はお足元の悪い中~」と付け加えると、より丁寧な印象になります。

 

ご親族様のご挨拶

ご親族様は、喪主様を支え、共に参列者様をお迎えする立場になります。

受付を担当されたり、控室で参列者様と顔を合わせたりする機会も多いでしょう。

多くを語る必要はありません。皆様の落ち着いた対応が、喪主様の安心にもつながります。

 

ご挨拶例文

〔受け付け・会場内で参列者と会った時〕

 

「本日はご多用のところ、お越しいただきありがとうございます。」

「生前は〇〇が大変お世話になりました。ありがとうございます。」

「あいにくのお天気の中、遠方よりありがとうございます。」

など、 長く話す必要はありません。

相手の目を見て、丁寧に会釈をしながら感謝を伝えるだけで十分です。

 

参列者様の挨拶

参列者様が最初に挨拶をするのは、受付の場であることが多いです。

受付では、「この度は誠にご愁傷様でございます」「心からお悔やみ申し上げます」といったお悔やみの言葉を、声を抑え気味に、短く伝えます。

その後、一礼して香典をお渡しし、記帳を行います。

ご遺族と言葉を交わす際も、長話は避け、簡潔にお悔やみを伝えるのがマナーです。

「重ね重ね」「たびたび」といった「忌み言葉」を使わないよう気をつけましょう。

何よりも、故人様を偲び、ご遺族の悲しみに寄り添う姿勢が大切です。

 

まとめ

葬儀での挨拶は、立場によって伝えるべき内容は異なりますが、根底にあるのは「故人様への想い」と、集まってくださった方々への「感謝」です。

形式にとらわれすぎず、心を込めて言葉を紡ぐことが、何よりの供養になるのではないでしょうか。

この記事が、皆様が心静かに故人様とのお別れの時を過ごすための一助となれば幸いです。

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